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オブセオルタナティブ

おぶせミュージアム・中島千波館には、「木造館」という一見すると普通の住居のように見える和室の展示空間がある。
この夏「木造館」という場所と二人のアーティスト、松田朕佳と丸山玄太が出会い、「オブセオルタナティブ」として始動する。
「オルタナティブ」。
この言葉は「代用の」「もう一つの選択」といった意味があり、「既にあるものから新しいものを創造する」と捉えることもできる。
でもそれはさておき、難しいことは考えず、とにかく玄関を上がって、中を見て、二人の表現に触れてみる。
何もわからないかもしれない。
でも何かを感じるかもしれない。
そこにはきっと何かがあるはずで、それをこの目で、心で、確かめるのだ。

おぶせミュージアム・中島千波館

 アメリカ在住の映像作家ジョナス・メカスがこういう事を言っています。「子供を叱りつけるとその一瞬で世界はやがてその影響で大きく変わってしまう」と。日々の微細な日常的動きとしての人間の行為には法則はないのでその効果は意識されずに柔らかい変化を繰り返しやがて出来事をふいに感知するのです。人間はその出来事を唐突に感じます。それが人間の本質であります。オルナタティブとはその微細な唐突に注意をはらい、観察分析を行いその波及したベクトルに対してミリ単位で検証と修復を行う事かもしれません。「この国の美術というものに対する何か」などではなく、人間の本質に焦点を充てる事が今回の試みです。場所に対して人間が変容を積極的に模索する、土地に対してオルタナティブな未知の世界への可能性を探る試みです。
 子供を叱りつけることは世界を変えないという傲慢です。叱りつけられ項垂れた子供に対して丁寧な修復を行い前を向きなさいと倫理的な「対処」を試みる。人間はすべて子供かもしれません。修復的行為を継続的にゆっくりとそのベクトルを疑わず場所がほかのどこでもないかけがえのない場所になるよう祈りを込め、「わたしたち」が生きてゆくこと自体を提示します。

コーディネーター 納和也

小布施という場所を探求検証・記憶化するプロジェクトをオブセオルタナティブと名付け2013年より展開します。場所の解釈を作家たちが試行するトポスプロジェクトとして発想され、美術の社会的互恵性と機能を持って構築継続する企画展となります。共同体における美術表象による機能拡張の試論、あるいは美術家の新しいビヘイビアのかたちと受けとめていただければ幸いです。
2013年はおぶせミュージアム・中島千波館 併設 木造館にて開催します。池田満寿夫美術館でのマツシロオルタナティブと照応同期します。

計画者 / 町田哲也 (トポス統括)


基本 CMYKおぶせミュージアム・中島千波館・木造館
長野県上高井郡小布施町大字小布施595
Tel 026-247-6111 Fax 026-247-6112
om-logo

車利用でのアクセス 上信越自動車道:小布施スマートICから5分
上信越自動車道:信州中野ICから10 分
電車利用でのアクセス JR 長野駅下車 長野電鉄線に乗りかえ、小布施駅下車 徒歩12 分。
駅前から小布施周遊シャトルバス (1・2 月は運休)がご利用できます。
午前9 時~午後6 時
入館料 / 一般500 円 高校生250 円 小中学生無料
※20 人以上の団体入館は、1 割引きになります。
※障がい者手帳、療育手帳等をお持ちの方は半額になります。
※特別展開催の場合、料金が変わることがあります。


web site & soundtrack by クマサ計画 / Tetsuya Machida